重きものを苦しそうに扱うのは、

ただに見る目に粗◇で威儀を損ずるばかりでない。

 

見る心に安易の情を起こさしめない。

 

軽きものを軽々しく扱う心のゆるみは

意外の失策を招く原因である。

 

強気に弱く

重きに軽かれ

という如く

 

釜、水指の如き重きものを運びては

従容の姿を失わず、

茶しゃく・◇◇の如き軽きものを動かしては

荘重の心を忘れない様に扱うがよい。

小は大に、大は小に

という戒めもまたこの半面である。

物を運ぶには

一眼

二足

三腹

四力の四つが調子よく揃わねばならない。