置き放し、据え放しにせず、

如何に置かれしか如何に据えられしかと

省みるの◇である。

 

三炭の中、客が退出せんとするに方ってつぐ炭を

立炭(たちずみ)という。

この立炭のあしらいは客にいねかしというのはない。

 

水にして返さぬ主人の働きである。

立つ客は名残の拝見をして、

一器の思い出として退出する。

 

立炭といい、名残の拝見といい、

共に主客の間に養われた心地である。